にきびは、青春のシンボルといわれますが、思春期になって顔にポツポツとにきびができた人にとっては、悩みのたねです。悪化すると、にきびが治った後も皮膚に跡が残ることもあり、さらに悩みは深刻になります。
一般ににきびができ始めるのは、11~12歳ごろからで、ティーンエイジャーを中心に、24~25歳くらいまでが多いといえます。男女ともに、10歳代の初めは、第二次性徴期に当たり、性ホルモンの分泌が盛んになる時期です。女性の場合は初経、男性の場合は声変わりなど、いろいろな変化が起こってきますが、ちょうど、その時期に一致して、にきびもでき始めます。
にきびが思春期に多いのは、にきびの発症は性ホルモンの分泌に関連があるからです。特に、性ホルモンのなかでも、男性ホルモンの影響を強く受けます。ただし、男性ホルモンの影響があるというと、男性に多い疾患と考えられますが、実際に医療機関を訪れるのは、圧倒的に女性が多くなっています。
皮脂の表面の表皮は、さらにいくつかの層に分けられますが、その最表面の細胞は固くなって角質化し、やがて垢となってはがれおちます。毛孔の内側の角質もはがれると、毛孔から皮膚表面へと押し出されます。しかし、毛孔の皮脂が多くなると、角質化が盛んになり、はがれた角質は皮脂と一緒に毛孔の中に溜まります。これが、にきびの初期である「面皰(めんぼう)」という状態です。
面皰(めんぼう)ができると、もともと毛孔に生息していた「にきび桿菌」という細菌が増殖を始め、炎症が起ります。さらに進行すると、化膿して膿が溜まるようになります。これが「丘疹」や「膿疱」という状態です。
①面皰・・・毛孔に皮脂と角質の混ざったものが溜まった、にきびの初期の症状です。毛孔の周囲はあまり盛り上がりません。面皰が古くなると、空気に触れている部分が黒くなります。これを「黒色面皰」といいます。
②丘疹・・・面皰内で増殖した細菌によって、周囲に炎症が起きた状態です。毛孔の周囲が赤く盛り上がったようになります。
③膿疱・・・丘疹があらに進行し、毛孔の中に膿が溜まった状態です。外見上は、赤く腫れた中心部に、ポツンと膿が黄色く見えます。膿疱になると、治っても、皮膚に跡が残ります。