広汎性発達障害(こうはんせいはったつしょうがい、pervasive developmental disorders)は、発達の影響で二次的に障害が生じたものではなく、かつ両親などの保護者の不適切な養育によって自閉症、アスペルガー症候群、自閉傾向という特性が生じたわけではありません。当然、発達環境あるいは養育の姿勢は子供の精神発達に大きく影響を及ぼしますが、それは自閉症の子供さんでも自閉症ではない子供さんでも同じことです。広汎性発達障害という用語もわかりにくく、全体の発達障害ということで知的障害と、勘違いされる場合もあります。自閉症と自閉症に近い特徴を示す発達障害を総称していいます。
広汎性発達障害の特徴
<対人関係(社会性)の特徴>
視線が合わない、友達関係が作れない、他人と興味を共有できない、感情が伝わらない。人の気持ちを理解したり察することが苦手などです。
<コミュニケーションの特徴>
ことばが遅れていたり、会話にならない、オウム返しをする。あいまいな表現、冗談が理解できない。遊びのルールや役割を理解できない。
<想像力の特徴>
<感覚の特徴>
広汎性発達障害のグループには、特徴がすべて当てはまるものを自閉性障害(自閉症)、ことばの遅れがないものをアスペルガー障害と呼びます。ほかにも他に分類されない広汎性発達障害(PDD-NOS)などが含まれます。
高機能広汎性発達障害(HF-PDD)とは広汎性発達障害(PDD)のなかで知的障害をともなわない場合を言います。高機能とは知的障害をともなわないという意味です。
発達障害の主なもの
<知的障害>
<広汎性発達障害(自閉症)>
<高機能広汎性発達障害 (アスペルガー症候群・高機能自閉症)>
<学習障害(LD)>
広汎性発達障害に学習障害が合併することはよくみられます。
<注意欠陥多動性障害(ADHD)>