喘息の症状

    気管支喘息(喘息)は、気管支が狭くなり、呼吸が苦しくなる病気です。ゼーゼー、ヒューヒューと音がしたり、呼吸が苦しくなり、咳き込んだりします。ぜんそく発作は、季節の変わり目に起こることが多くなっています。というのは、ぜんそくは、風邪や肺炎などの感染症に伴って起こることも多く、季節の変わり目にはこれらの感染症にかかりやすいことが、一つの要因だろうと考えられます。気管支喘息は、特に命にかかわることもあり、毎年五千~六千人もの人がぜんそく発作で亡くなっています。ぜんそく死は、特にお年寄りに多く見られます。


    気道の内側は、粘膜で覆われていて、空気と共に吸い込まれる「ごみ、異物{花粉やほこりなど}細菌、ウイルス」など体にとって有害な物質をとらえ、それらを排除する働きをしています。患者さんの気道の粘膜は、こうした刺激に対して、過敏性が高まり、慢性的な炎症を起こした状態になっています。そのため、健康な人なら反応しないようなわずかな刺激に対しても、敏感に反応してしまいます。この反応が起きると、気道の筋肉が痙攣して収縮したり、粘膜がむくんだり、粘膜からの分泌物が急激に増えたりするために、気道の内腔が狭くなって、呼吸困難になります。これがぜんそく発作です。


    気道に慢性的な炎症が起こるのは、刺激に対して反応する粘膜に白血球の一種「好酸球」が集まってくるためです。好酸球は組織を破壊する強い作用を持っているため、これが集まってくると、気道の粘膜を傷つけて、脱落させ、さらに気道を敏感にします。好酸球は多くの場合、アレルギー反応の結果として集まってきます。しかし、こうした現象は、アレルギーを起こす物質以外の刺激によって起こることがわかっています。


    喘息というと子供の頃に発症して成長とともに改善するか、一生持ち越す病気というイメージがありますが実際にはあらゆる年齢で発症します。実際、高齢者喘息の患者さんの大半は45歳以降に発症された方で、呼吸機能の低下、COPDの合併などにより65歳未満の喘息患者さんに比べ重症度が高いことが知られています。


    高齢者喘息のもう一つの問題としては、高齢の喘息患者さんには吸入ステロイド薬・吸入ステロイド薬+長時間作用性吸入β2刺激薬配合剤の普及が十分でなく。また、適切に使用できない方がいます。


    高齢の喘息患者さんの重症度が高い背景には、加齢とともに呼吸機能が低下しているうえにCOPD、心疾患などの合併症を抱えている症例が多いことがあげられます。COPDは長期間にわたる喫煙習慣による肺胞の破壊と気管支炎を特徴として、多くは40歳以上で発症して咳、痰、息切れなどの症状が起こる疾患です。 重症化すれば何をするにも溺れるような息苦しさと表現されるような症状に悩まされ、日常生活に支障をきたします。COPDの発症リスクは喫煙している本人だけでなく受動喫煙により家族や同僚などの周囲の人にまで及びます。


    喘息治療の基本は、長期管理薬を用いて気道炎症を抑え、発作が起きないように予防し、それでもなお発作が起こった場合、発作治療薬を使うことです。また、喘息の症状は氷山の一角で、水面下には気道炎症、気道過敏性、気道閉塞という本体が隠れている可能性があり、長期管理薬の適正使用が大切です。


    喘息、COPDの診断には呼吸機能検査などがあります。このため、呼吸器、アレルギーを専門としない日常の診療では、喘息とCOPDの区別や合併を判断するのは簡単ではありません。喘息の特徴は全年齢層で発症、発作性の呼吸困難、アレルギー歴、家族歴、季節性や時間性、口あえぎ呼吸などです。COPDでは喫煙歴、高齢者、身体を動かした時の息切れ、口すぼめ呼吸、上下の胸郭運動などが特徴です。

喘息と漢方へ

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