中心性網膜炎

中心性網膜炎は、視覚の最も敏感な「黄斑部」に水が溜まる病気です。30~40歳代の働き盛りの年代に多い病気です。20歳代以下では、まず起こらず、60歳以上で起こることもほとんどありません。男女比で見ると、圧倒的に男性に多い傾向があり、男性の発病率は女性の3~4倍になります。なお、中心性網膜炎は、通常片目だけにおこり、両目に同時に起こることはありません。


中心性網膜炎になると次のような症状が現われてきます。


見ようとするまん中が丸い黒い影になって見えなくなる(中心暗点)、小さく見える(小視症)、あるいは大きく見える(大視症)、ゆがんで見える(変視症)があります。色が違って見える・・視野の中心部の色が本来の色と少し違って見えます。特に青や黄色などが変わって見えます。また、視力が少し低下することがありますが、極端に低下することはなく、失明することはありません。このように、中心性網膜炎になると、視力や視野の中心部にさまざまな異常が起きます。どれもあまり深刻な異常ではないのですが、患者さんには、非常にうっとうしいものです。


原因は、まだはっきりわかっていませんが、精神的ストレスや過労が関係しているのではないかと考えられています。中心性網膜炎になると黄斑部の辺りの網膜の下に水分が溜まり、網膜が部分的にはがれた状態になっています。黄斑部は網膜のほぼ中心にあり、網膜の中でも最も敏感で解像力の高い部分で、ここだけで視力の約80%を担っているといわれています。黄斑部の網膜の下に水が溜まると、視野の中心部にさまざまな症状が現われてくるのです。


黄斑部の網膜の下に水が溜まるのは、網膜そのものに異常があるためではありません。網膜の外側には、毛細血管の多い脈絡膜という組織がありますが、ここに異常が起きることで、黄斑部の異常が引き起こされます。


脈絡膜と網膜が接する部分には、網膜色素上皮細胞がレンガを敷き詰めたように並んでいて、脈絡膜中の水分を網膜側にもれ出るのを防いでいます。ところが、この網膜色素上皮細胞の一部が壊れると、脈絡膜から水分がもれ出てきて、網膜の下に溜まってしまいます。これが、中心性網膜炎の発症のメカニズムです。さらに、網膜色素上皮細胞が壊れるのは、脈絡膜の循環の異常が原因となっていることが最近わかってきました。このように、中心性網膜炎は網膜炎という病名ですが、実際は網膜の病気ではなく、脈絡膜の病気です。そこで、専門的には中心性網膜炎と呼ばず、中心性漿液性脈絡症という病名が使われます。



中心性網膜炎と漢方へ

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