痛風

痛風は、高尿酸血症が長期間持続し、その結果析出した尿酸・尿酸塩が原因となって急性関節炎や腎障害・尿路結石を生じる疾患です。人間の体には、約60兆個もの細胞があり、毎日新陳代謝を繰り返しています。さまざまな物質を分解したり、新たに取り込んで入れ替わり、生命活動を維持しています。「尿酸」はこの新陳代謝に伴って出る老廃物の一つです。


尿酸が何らかの原因により、体内で高い濃度になると、水に溶けにくい尿酸は結晶化してしまいます。もし、尿酸が体内のどこかの関節の中で結晶化すると、痛風発作の激痛を起こします。また、皮膚の下には痛風結節を作ります。この尿酸結晶が、関節や皮膚の下などで痛風の原因になります。関節の内部は、もともと滑らかにできていますが、このように異物がないところに、砂粒のようにかたくてザラついた結晶が形成されると、それだけで激しい痛みを発生します。そのうえ、尿酸結晶ができると、からだは異物を取り除こうとして、白血球を大量に送り込み、これを処理しようとします。この時、白血球から、さまざまな刺激物質が出されます。その結果、関節に激痛が起こります。


体内で合成された尿酸は、尿や便と一緒に排泄されるため、血液中の尿酸の量は、常に一定のレベルに保たれています。通常、血液100ml中の尿酸の量は、男性4~6.9mg/dl女性が3.5~5.5mg/dlとされています。尿酸が多量に作られるようになったり、尿酸の排泄が悪くなると、血液中の尿酸量は増加します。この状態を高尿酸血症といいます。尿酸値が7mg/dl以上になると男女とも高尿酸血症となります。


高尿酸血症は、尿酸産生量の増加、尿中尿酸排泄能の低下と両方の混合型に分けられますが、基本は排泄能の低下が主で、尿酸排泄低下型が半数以上を占めます。 尿酸の産生・排泄過程に作用する要因としては肥満、過食、アルコールの摂取、無酸素運動、ストレスなどがあげられます。薬物や他の疾患に伴って二次的に発症する場合もありますが多くは好ましくない生活習慣が尿酸の産生と排出のアンバランスを生んで高尿酸血症・痛風を引き起こします。 高尿酸血症・痛風は成人男性に多い疾患とされますが、その理由の一つは女性ホルモン(エストロゲン)に尿酸排泄作用があるためです。女性の場合、閉経後に女性ホルモンの減少に伴って尿酸値が高くなる場合があります。 痛風関節炎、いわゆる痛風発作の痛みは強烈といわれます。痛風発作の原因となる高尿酸血症の期間が長く、また高度であるほど発作は起きやすいですが、血清尿酸値が高くても痛風発作が起きる人と起きない人がいます。痛風発作は高尿酸血症を指摘されてもしばらくは発作が起きず、急に強烈な発作が起きることがあります。


痛風では多くの合併症を伴います。その中で尿酸塩の析出・沈着と関係が大きいのは痛風腎です。血清尿酸値が高くなり、溶解度を超えると尿酸塩が関節に沈着して関節炎を引き起こし腎に沈着すれば痛風腎となります。痛風は酸性尿が多く、尿中での尿酸の結晶化を促進し、尿路結石を起こしやすくなります。 この他にも、肥満、脂質代謝異常症、高血圧症、耐糖能異常、動脈硬化性疾患といった生活習慣病を合併する割合が高く、これらの合併症は痛風だけでなく無症候性高尿酸血症でも多いとされ、痛風は単なる関節炎疾患ではなく高尿酸血症という全身的な代謝異常による1つの症状としてとらえられています。


痛風の診断は、痛風発作と呼ばれる間欠的な関節炎の存在や、関節に析出した尿酸塩結晶により行い。第1MPT関節または足関節周囲に発赤、腫脹を伴う急性関節炎が起こることが多く、痛風発作時には白血球数増加、CRP増加、赤沈亢進がみられます。 痛風の治療は、痛風発作時の治療と高尿酸血症の治療に分けられ、痛風発作に対する治療手段として最もよく用いられるのは、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)です。痛風発作は通常2週間続きますが、数日のピークを過ぎると日を追うごとに痛みは軽くなります。痛みがひどい時にNSAIDsを短期に用いて炎症を鎮静化させます。発作が起こる前にはコルヒチンを1錠服用します。痛風発作時に鎮痛薬のアスピリンは炎症が増悪することがあるので使用しません。 また、尿酸降下薬や尿酸排泄促進薬、尿酸生成抑制薬が病態や症状によって使用されます。 高尿酸血症を指摘され、血清尿酸値が高くても、痛風発作が起こらない場合もありますが、生活習慣の改善は重要で、過食、高プリン・高脂肪・高タンパク食、飲酒、運動不足といった習慣の改善が大切です。


痛風と漢方へ

医薬品のご購入について