シェーグレン症候群

シェーグレン症候群は口腔と眼の乾燥症を主症状とする自己免疫疾患の1つで、慢性炎症による唾液腺と涙腺の分泌障害が主症状の原因となっています。唾液腺と涙腺以外に他の臓器障害を併発することもあり、腺外症状と呼ばれています。 1933年にスウェーデンの眼科医シェーグレン氏が19例の眼球と口腔乾燥症状を示す患者について詳しく報告したことから彼の名がこの疾患につけられるようになりました。 シェーグレン症候群では目にゴミが入っても涙が出にくい、長時間話していると口が渇いて話しにくい、といったドライアイ、ドライマウスの症状がみられます。男女比は1:14と特に女性に多い疾患です。発症年齢のピークはこれまで40歳~60歳といわれていましたが認知が高まるにつれ最近は若い女性にもみつかるようになってきました。


眼症状としては、乾燥感、異物感、易い疲労感、眼脂の増加などがみられ、口腔症状としては、口が渇く、 ネバネバする。虫歯の増加などがみられ、進行すると食物摂取困難もみられます。その他の症状としては 、気道の乾燥による乾性咳嗽、鼻腔の乾燥感、皮膚の乾燥による掻痒感、膣乾燥などの症状がみられます。 また、約30%の患者さんに唾液腺や涙腺の腫脹が認められます。


同じような症状の疾患としては、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病、ミクリッツ病などがあります。シェーグレン症候群にみられる関節炎はリウマチと同じように朝のこわばりがあり両側性の関節痛がみられますが、リウマチに比べると関節痛が軽度で腫脹を伴わないことが多い傾向があります。ドライアイ・ドライマウスの症状や状態、抗SS-A抗体、抗SS-B抗体などのシェーグレン症候群に特異的な自己抗体の陽性反応で病態を判断します。

唾液腺や涙腺の腫脹があってシェーグレン症候群と似ているミクリッツ病は、シェーグレン症候群特異的自己抗体が陰性で、血清IgG4が高値です。また、ドライアイやドライマウスがみられる糖尿病、抗うつ薬などの薬剤の副作用などとの関連も必要になります。


シェーグレン症候群の症状に対する対症療法としては、ドライマウスには人口唾液、保湿剤、洗口液などを、ドライアイには人口涙液などを使います。


従来、内服薬としては唾液の分泌促進を目的にブロムヘキシンや塩酸アンブロキソールなどの去痰剤が使われていましたが、近年、唾液腺に分布するムスカリン性アセチルコリン受容体(M3型)を刺激する塩酸セビメリンや塩酸ピロカルピンが使用されています。これらの薬剤は約60%の患者さんで有効といわれており、唾液量を増やしますが、消化器症状や発汗などの副作用がおこる場合があります。また、マレイン酸トリメブチンを併用すると、吐き気などの副作用が軽減することが知られています。重篤な耳下腺腫脹や腺外症状に対しては、ステロイド剤や免疫抑制剤、生物学的製剤などが使われます。


シェーグレン症候群と漢方へ

医薬品のご購入について