潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎はクローン病とともに消化管粘膜に原因不明のびらんや潰瘍をきたす炎症性腸疾患の1つです。クローン病が口から肛門までの全消化管に発症するのに対し、潰瘍性大腸炎は大腸に限定して発症します。潰瘍といっても比較的浅く、一部に限られることなく広範囲に広がっているのが特長です。


私たちが食べた食事は、主に小腸で栄養分が消化・吸収され、その残りは水分が多くドロドロになった状態で大腸に送られます。正常な大腸は小腸から送られてきた食べ物の残りから水分を吸収しながら便をつくり、肛門へと送ります。しかし、大腸の粘膜に潰瘍性の炎症が起こると、炎症のために大腸のひだが伸ばされて消えたり、本来備わっている力が損なわれるので、水分を吸収することができなくなります。しかも、便が通過するなど、ちょっとした刺激で出血をします。


炎症などの範囲により主に直腸炎型、左側大腸炎型、全大腸炎型の3つの病型に分類され、さらに重症度により軽症、中等症、重症の3つに分類されます。また、重症の中でもさらに症状が激しく重篤なものを劇症型といいます。最近では3つの病型に遠位大腸炎型も加えた4つの病型に分類されています。


主な症状は血便、下痢、腹痛ですが重症化すると食欲が低下して体重が減少したり、貧血、発熱などを伴うことがあります。適切な治療により症状が治まったとしても、再燃率が治療後1年で30%~50%、2年で40%前後、5年で60~70%と極めて高くなります。


潰瘍性大腸炎の原因としては、食生活の変化、腸内細菌の異常、遺伝的素因、ストレスなどが言われています。日本人が高脂肪の食事をとるようになったこと、食事をとる時間が不規則になったことなども大腸に少なからず負担となり、炎症をきたす原因になっているのかもしれません。

潰瘍性大腸炎の約50%は軽症、約40%は中等症であり、重症、劇症型、難治性の症例は約10%とみられています。粘血便、下痢、腹痛、体重減少、貧血、発熱などの激しい症状で日常生活に支障がでるような場合はあまり多くありません。


潰瘍性大腸炎の診断は細菌性、ウイルス性の感染性腸炎などを除外したうえで、大腸内視鏡検査により特徴的な腸管粘膜の血管透見性、発赤調・微細顆粒状の粘膜、腸管粘膜への膿性粘液物の付着、深掘れ潰瘍などを見ます。


潰瘍性大腸炎は寛解・再燃を繰り返す疾患であり、治療法は病期に応じて1、腸管粘膜の炎症が強いために激しい症状をきたす活動期に炎症を抑える寛解導入療法、2、寛解導入療法を行ったのちに炎症が治まっている寛解期を維持して再燃を予防する寛解維持療法の2通りに分けられます。


直腸炎型ならびに左側大腸炎型・全大腸炎型の軽症・中等症の場合、寛解導入療法の薬としては、経口5-ASA製剤のサラゾピリン錠、ペンタサ錠、アサコール錠、局所製剤のペンタサ注腸、プレドネマ注腸、ステロネマ注腸が使用され、こうした治療によっても寛解導入が得られない場合、プレドニゾロンの経口投与が追加併用されます。


直腸炎型、左側大腸炎型・全大腸炎型の軽症・中等症の寛解導入療法は主に外来で行われますが、重症、劇症型については入院を必要とし、緊急手術も視野にステロイドパルス療法、血球成分除去療法、シクロスポリン持続静注療法などが行われます。


また、潰瘍性大腸炎の難治例では、免疫調節剤のアザチオプリン(イムラン)、6-メルカプトプリン(ロイケリン)も併用され、ステロイド抵抗例には、血球成分除去療法、シクロスポリン(サンディミュン)持続静注療法、タクロリムス(プログラフ)経口投与、インフリキシマブ(レミケード)点滴静注などの治療が行われます。 血球成分除去療法は炎症の原因となる免疫細胞を血中から取り除く治療法であり、白血球除去療法と顆粒球除去療法の2種類が行われています。




潰瘍性大腸炎と漢方へ

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