円形脱毛症

人間の毛には毛周期といって、毛が伸びる成長期と毛根が成長をやめる休止期があり、休止期にはいるとやがて自然に抜けてきます。この周期は2~5年で、これを繰り返しています。普通は、一本一本の毛周期が具合よくずれていて、ある部分がまとまってぬけるようなことはありません。


脱毛症には円形脱毛症、粃糠性脱毛症、薬剤による脱毛など、さまざまなものがあります。最も一般的で最も多いのが男性ホルモンが関与した男性型脱毛症です。男性型脱毛症は頭頂部から前頭部にかけて毛髪が徐々に薄くなる進行性の脱毛症で、その原因は遺伝的素因によって毛包の成長期が短縮されて硬毛が軟毛化するためといわれています。


髪の毛は大きく分けて硬毛と軟毛の2種類があります。軟毛の直径は40μm前後まで細くなり、メラニン色素が少ないためにまわりの髪の毛より細く薄い色をしています。私たちは、乳児期から思春期へと成長するにつれて軟毛が太く黒々とした硬毛に変化します。成人男性には約10万本の髪の毛がありますが、髪の毛1本1本にも寿命があるため、健康な人でも毎日50~100本の髪の毛が抜け落ちます。新しくはえてきた髪の毛は成長して徐々に長く伸び、抜けるとまた新しい髪の毛が生えてきます。


髪の毛を作るのは毛包の役目です。毛包の下部には毛母細胞と毛乳頭からなる毛球があり、毛母細胞は毛細血管から酸素や栄養素を得て増殖と分化をくり返して上に成長していきます。毛包には休止期、成長期、退縮期があり、このうちで成長期が最も長く、一般的には2~6年続きます。しかし、男性型脱毛症では成長期が短くなるため、髪の毛が十分に成長できず、軟毛化して細く短くなり、最終的には額の生え際が後退し、頭頂部の毛髪が薄くなります。


こうした毛包の変化は、脱毛部位に高濃度にみられるジヒドロテストステロンによると考えられています。ジヒドロテストステロンは5α還元酵素Ⅱ型によってテストステロンからつくられますが、毛乳頭細胞に存在するアンドロゲン受容体に結合すると脱毛のシグナルが放出されて毛包の成長期が終了します。


治療にはテストステロンをジヒドロテストステロンに変換する5α還元酵素Ⅱ型を選択的に阻害する経口フィナステリド(プロペシア)が使われています。


何らかの原因により、ある部分の毛の成長が阻害され、一斉に休止期になって、抜けてしまうことがあります。それが、円形脱毛症です。


原因としては、ストレスのほかに、内分泌ホルモンの病気、栄養障害、自己免疫説、抗がん剤の影響などがあげられますが、その仕組みについては、まだよくわかっていません。一般的には、ストレスなどの影響で、血液の循環が悪くなったために、毛母細胞の働きが阻害されて、毛をつくる能力が落ちるためと言われています。ただ最近では、免疫学的異常がみられるとの報告もあることから、自己免疫システムとの関係、特に、毛根部にリンパ球が集まり、異物と認識し、抗原抗体反応が生じていると考えられています。


円形脱毛症と漢方へ

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