ダイエット

漢方医学の立場で診た場合、肥満は、心臓血管障害その他の重篤な疾病を発症する予兆であるという点において、「未病」に位置すると考えます。未病とは、「病気になる一歩手前」の状態。漢方医学では、この状態を改善して中庸を保つことに重点を置きます。

ゆがんでしまった体内のバランスを漢方薬で正常化することが治療方針となります。漢方を飲み始めると、肥満に伴う不調が解消されて心身が快調になり、そして気が付いたら体重や体脂肪も減少していた、という効き方をします。


肥満を引き起こす原因として重要視されるのが、「水毒」、「食毒」、「お血」などのさまざまな毒。「水毒」は ”腎(内分泌系や泌尿器系)”の働きが低下するために生じる腎性の中毒物、「食毒」は食事のバランスに歪みが生じている状況、「お血」とは血液の流れが滞って血液がドロドロになることです。


漢方医学では、こうした毒の蓄積から肥満が生じると診て,水毒を改善する利水剤、お血を改善する駆お血剤などを配合して治療しますが、臨床現場では、病因病機を以下のように分類して漢方薬を処方します。


  • お血(血液ドロドロ太り)血液の流れが滞っているために気も水も流れが悪くなっている頑固な肥満タイプ で、お血の蓄積は脂肪太りと呼ばれる肥満体をつくります。肩凝りや頭痛などの 不調をもつ人もいます。活血作用の強い駆お血剤を基本処方としますが、この タイプの肥満は過食、美食によって起こる場合が多いので、〝水毒”や“食毒” を解消する利水剤や解毒剤も体質に合わせて配合します。

  • 肝気鬱結(ストレス太り)ストレスによる情緒不安定が過食を招いている状態です。またストレスが長引くと肝気はのびやかに巡ることができなくなり、血の流れも滞るために、お血も生じて肥満が加速されます。長期的な肝気鬱結は胃熱を生じ、食欲が異常に亢進するため過食が続いて肥満を増長させます。 更年期のホルモンのアンバランスが原因で過食に走っている場合もあります。ストレスを和らげて、精神を安定させる漢方薬は非常に有効です。イライラ、怒りっぽい、頭痛や生理不順などの肝鬱症状が強い場合は逍揺散を 基本方剤としますが、口苦、口臭脂肪肝など肝胆湿熱の症状が診られる場合 には柴胡剤により清肝します。また邪気が体内だけでなく体表にも露出し、皮膚に炎症を伴う発疹症状、例えば ニキビ、湿疹、化膿しやすい皮膚病などを伴うときには清熱解毒剤を基本処方 とします。

  • 水毒(むくみ太り)体の表面は水毒で体が重く、体重増加で膝に負担がかかり、関節痛に悩む人や、  汗をかきやすい、風邪をひきやすい等の症状を伴う人もいます。この場合には、体表に侵入した風水、または風湿を除去する、利水、益気作用の強い方剤を処方します。甘い物を必要以上に欲する人は、脾(胃腸系)の力が落ちて不要な物を出す力が弱っている場合が多く、慢性の疲労感も伴います。益気健脾の漢方を服用することにより、湿の発生や、それに伴う肥満を予防することができます。

  • 血虚(冷え太り)いつも体が冷えていて、寝るときも靴下が欠かせなっかったり、低体温で汗も出にくいタイプの肥満で、月経周期の乱れや眩暈、立ち眩みを伴う場合もあります。補血、活血作用の強い生薬を組み合わせた漢方処方を服用することにより代謝が向上して肥満を解消することができます。同時に肌の弾力が取り戻せたり、月経不順が改善されたりする場合も診られます。


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