膀胱炎

膀胱炎とは、膀胱の粘膜に炎症を起こす病気で、そのほとんどは、大腸菌などの細菌感染によって起こります。細菌が膀胱に侵入するのにはいくつかの経路がありますが、最も多いのは、「細菌が外尿道口から体内に侵入し、尿道をさかのぼって膀胱にたどりつく」という経路です。膀胱炎は、男性よりも女性に圧倒的に多い病気です。その理由は、女性の尿道が男性に比べて短いためです。尿道の長さは、男性が17~20cmですが、女性は4~5cm程度しかありません。短い人では2cm程度のこともあります。


男性の場合、たとえ尿道に細菌が入っても、それが膀胱に到達する前に、排尿によって流される可能性が高くなります。ところが、女性は尿道が短いため、尿道に入った細菌が膀胱まで到達しやすいのです。また、女性の尿道口は肛門や膣の近くにあるため、男性に比べると、どうしても尿道に細菌が入りやすく、尿道が短いことが、女性に膀胱炎が多い原因です。膀胱炎は冬に多いといわれることがありますが、実際には、季節には関係がありません。


①急性単純性膀胱炎・・・一般に「膀胱炎」といわれているのが、この「急性単純性膀胱炎」で、膀胱炎全体の90%以上を占めています。細菌が尿道を通って膀胱に入り、そこで繁殖するために膀胱炎が起こります。急性単純性膀胱炎は、女性に多く、乳幼児のころから起こる可能性があり、20歳代以降に発生率が高くなっていますが、これは結婚することで、性生活が始まったり、その機会が増えるためだと考えられています。つまり、膣から尿道を経て細菌が入り込む機会が増えるのです。


頻尿・・・通常の排尿回数は1日5回くらいですが、急性単純性膀胱炎になると、それより多くなります。ひどい場合は、1時間に1~2回以上排尿するようになります。


  • 排尿痛・・・特に排尿を終えるときに、痛みがあります。

  • 尿の混濁・・・肉眼でも尿が白っぽく濁っているのがわかります。

  • 発熱することはあまり無く、熱が出たとしても37℃程度の微熱です。


    ②慢性複雑性膀胱炎・・・何らかの病気が原因で、膀胱に細菌が入り込んで繁殖し、膀胱粘膜に炎症を起こすために起こる膀胱炎です。


  • 残尿・・・前立腺肥大症などで尿の出が悪くなったり、事故などにより膀胱を支配する神経が障害されて、膀胱の収縮や拡張ができなくなると、膀胱内に尿が残るようになります。すると残尿中で細菌が繁殖して膀胱炎になります。

  • 瘻孔・・・「大腸の憩室炎」や「結腸ガン」などがあると、大腸の患部と隣り合っている膀胱の部分に孔(あな)があくことがあります。すると、そこから膀胱内に細菌が侵入して膀胱炎が起こります。

  • 結石・・・「腎臓結石」が原因で細菌感染を起こすと、細菌が尿とともに膀胱に流れ込んできます。「膀胱結石」の場合も、細菌感染を起こすことがあります。

  • 腫瘍・・・「膀胱腫瘍」があると、そこで細菌が繁殖し、膀胱炎が起こります。

  • ③慢性膀胱炎・・・急性単純性膀胱炎と慢性複雑性膀胱炎は、細菌感染によって起こりますが、それ以外の原因によって起こる膀胱炎もあります。慢性膀胱炎の症状は、「頻尿」や「不快感」などさまざまですが、ほとんど自覚症状がないこともあります。また、必ずしも細菌感染による病気ではないため、検尿をしても白血球は増加していません。


    ④過活動性膀胱…尿意切迫感(尿がしたくなって我慢できなくなる)や頻尿(尿が近い)を 主な症状とする病気です。蓄尿時に膀胱が勝手に収縮してしまう「排尿筋過活動」が原因と考えられる もので、40歳以上の日本人の12%(800万人以上)が過活動膀胱を有するといわれています。尿失禁 を伴うものと伴わないものがありますが、女性に多いものは尿失禁を伴うもので、高齢者になればなる ほど、増えていきます。一日の排尿回数が8回以上、尿意切迫感が週1回以上あれば、過活動膀胱と診断 されます。


    ⑤間質性膀胱炎…激しい頻尿と、膀胱尿道部の痛みが特徴で、原因は不明 です。痛みを訴えない初期の患者も含めると、患者数はかなりあると言われています。一般に膀胱炎と言われる細菌性膀胱炎と症状は似ていますが、細菌は証明されませんので抗生物質を飲んでも治らないのです。 細菌性膀胱炎でも神経因性膀胱でもない、膀胱癌でもないこのような原因が良く分からない頻尿・尿意切迫感の場合に間質性膀胱炎(別名、頻尿・尿意切迫症候群)と呼ばれてきました。


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