鼻炎

アレルギー性鼻炎は、アレルゲン(アレルギーを起こすもと)によって、鼻の粘膜に炎症がおこる病気です。主な症状としては、鼻づまり、水様性の鼻汁、くしゃみなどがあります。


アレルギー性鼻炎の原因としては、家の中のハウスダスト、それに含まれるダニ、花粉(スギ、稲科植物、ブタクサ、ヨモギ)かび、そのほか犬や猫の毛、ゴキブリ、そば殻、木材粉、羊毛、絹などがあります。一人でいくつかの原因抗原をもっていることが多く、特にハウスダストとスギの合併、スギとヒノキ、カモガヤなどの合併がしばしば見られます。ハウスダストは子供の場合の原因の約90パーセントを占めます。花粉で起こる鼻アレルギーを花粉症といいますが、花粉は大人のアレルギー性鼻炎の原因の60~70%を占めます。最近、子供の花粉症もふえています。


花粉症は、アレルギー性の病気で、正式には「季節性アレルギー性鼻炎」といいます。花粉症を引き起こす原因となる樹木、草木はたくさんあります。

アレルギー性鼻炎の原因となる植物抗原を調査した結果によると、欧米では牧草や草本の花粉が約8割を占めるのに対し、日本ではスギ花粉が約6割近くを占めます。また、一般的な草本花粉の飛散距離は50m程度ですが、スギ花粉の飛散距離は100km以上もあるといわれます。


  • スギ花粉・・・2~4月にかけて盛んに飛散します。
  • ヒノキ花粉・・・3月末頃から5月頃にかけて盛んに飛散します。
  • 稲科の植物・・・「ハルガヤ」「カモガヤ」などの花粉が5~8月ごろまで飛散します。
  • キク科の植物・・・主に「ブタクサ」「ヨモギ」などの花粉が8~10月頃多くなります。

  • 周囲にスギ林のない都市部でも花粉症が発症し、重症化するのはこのためです。さらに、日本ではスギ花粉の飛散終了を待たずに今度はヒノキ花粉の飛散が始まるため、花粉症患者さんの多くは3カ月以上もつらい症状に堪えなくてはなりません。


    現在、花粉症治療においてもっとも処方頻度の高い第2世代抗ヒスタミン薬は、くしゃみ、鼻汁を抑える効果には優れるものの、遅発相反応によって生じた鼻粘膜腫脹に伴う鼻づまりを改善する効果は期待できません。このため、鼻づまりを伴う患者さんに第2世代抗ヒスタミン薬が単独で処方された場合、3カ月に及ぶ飛散期を通して息苦しさ、寝苦しさに悩まされ続けることになります。 花粉症の症状は飛散数の増加とともに悪化しますが、すでに重症化した患者さんは飛散数が一定の水準を超えると、それ以上悪化しない傾向にあります。また、仮に飛散数が1/10になったとしても、症状は1/2程度にしか軽減しないとされています。昨シーズン花粉の飛散数が多く重症化した患者さんにとっては今シーズンの飛散数が多少減ったからといって楽になるとはいえず、飛散期間が長期化することのほうが辛いということになります。


    花粉症の軽症例において鼻噴霧用ステロイド薬を第2世代抗ヒスタミン薬の併用薬と位置づけ、中等症以上のくしゃみ・鼻汁型には鼻噴霧用ステロイド薬+第2世代抗ヒスタミン薬、鼻閉型または鼻づまりを主とする充全型には鼻噴霧用ステロイド+第2世代抗ヒスタミン薬+ロイコトリエン受容体拮抗薬が使用されています。 鼻噴霧用ステロイド薬の特徴は炎症を抑制する効果が高く、効果の発現がやや速く、全身的な副作用が少ない、くしゃみ、鼻汁、鼻づまりの効果があり、部分的に作用することがあげられています。


    従来の鼻噴霧用ステロイド薬は1日に何度も使用する必要があり、人前で使用しづらく、ステロイドに対する不安やにおいと刺激、また飛散ピーク時には速効性がないなどの理由から普及率が低かったのですが、1日1回の使用で高い効果を示し使用感の向上した新しい鼻噴霧用ステロイド薬も使用され始めています。 花粉症治療の薬剤は近年速効性に優れた薬剤が開発されたため、抗ヒスタミン薬はごく軽度な症状が出現してから、ロイコトリエン受容体拮抗薬についても飛散開始日の1週間前から治療を開始すれば十分な効果が期待できるといわれています。


    日本の4人に1人以上が花粉症という状況で、日本では主にダニ、ハウスダストを抗原として発症する通年性アレルギー性鼻炎の患者さんも2割近くに及び、強い鼻づまりの重症例も少なくありません。 通年性アレルギー性鼻炎についても中等症には鼻噴霧用ステロイド薬で重症のくしゃみ・鼻汁型には鼻噴霧用ステロイド薬+第2世代抗ヒスタミン薬、鼻づまりを主とする充全型には鼻噴霧用ステロイド薬+ロイコトリエン受容体拮抗薬またはトロンボキサンA2受容体拮抗薬などが使用されています。



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